図書館司書さんのインタビュー
玉名の仕事人インタビュー11人目は、玉名市民図書館で司書をされている山内史子(やまうち ふみこ)さんにお話を伺いました。
山内さんが仕事として図書館司書を選んだ理由はなんですか。
最初のきっかけは、本を読むのが好きだったからっていう定番な理由からなのですけども。
高校生のときに図書委員に入っていたのですが、そのときにちょうどバーコード化に変わって行くときでした。以前は紙のカードで貸し出したり、スタンプを押してという作業だったのが、1冊、1冊にバーコードを付与してパソコンで管理しようという動きが始まったところだったので。
これって、このあと管理の仕方は、どう変わっていくのだろうっていう疑問がありまして。そういうのが気になって、ちょっと司書の勉強もしてみたいっていう気持ちになりました
図書館司書という職業の、どういうところに魅力を感じていますか。
きっかけはやっぱり管理の仕方とか硬い感じのところからだったのですけども。お客様と意外と接客業な面が図書館の司書って多くて。「こういうところを調べたいんだけど」とか、「なんとかの本を探しているんだけど」っていう感じで尋ねてこられる方がいるので、そういう方の自分で調べてみることのお手伝いをさせてもらっているときとかに、「あ、司書やっていてよかったな」というところが出てきますね。
図書館で働いて、やりがいを感じる瞬間はどんなときでしょうでしょうか。
そうですね。やっぱり「調べているのを手伝ってくれてありがとう」っていう反応が返ってきたときがうれしいっていうのもですし。「これが参考になったよ」って言っていただいたら、ああ、よかったって思いますし。
あとは、本の購入のほうもいろいろ選んで、じゃあこれを図書館に入れようっていうような、選書って言うんですけど。本を選んで購入したりとかいうのも私たちの仕事に含まれてくるので。
「この本どうかな。ちょっと堅苦しい本だけど、こういう内容を知りたい人もいるんじゃないだろうか」ということで入れてみた本をよく借りられていたりすると、「あ、入れてみてよかった」という感じで。やっぱり反応が気になるっていうところはあります、はい。
図書館で取り扱う本が、自分の趣味に偏ったりすることはありませんか。
公共性っていう部分で、自分の趣味に走らないようにするということも、司書の勉強の中で出てくるんです。自分が欲しい本は本屋さんで買う!です。偏りすぎないように気を付けています。
図書館司書(山内さん)が考える、図書館の役割とはなんでしょうか。
図書館の役割って、私の場合だと公共図書館としての役割です。
高校の図書館だったら高校の図書館の役割があるし、大学図書館だったら専門的なところの役割があるしっていう感じで、ちょっとずつ違う感じになるんですけど。
公共図書館の場合だと、幅広く知りたいテーマだったりとかを、これを知りたい、あれを知りたいっていうたくさんのニーズにできるだけ幅広く応えていくというところが1番の役割ですかね。
玉名市には、4つ図書館があって、市民図書館が1番大きな図書館ということで、資料の収集とか、いろんなニーズに全部できるだけ応えていくっていう感じになるんです。
ほかの3館だと予算の関係もあって、規模が少しだけ小さいという感じになります。専門のものでも基本的なものはそろえておくような感じです。郷土資料、玉名市に関連するような郷土の資料とかもしっかり集めていくしっていう面がある図書館かなと思うので。
図書館の使い方やメリット、こんなふうに使ったらいいよとか…そういうのってありませんか
図書館の役割の部分で、生涯学習っていう部分があるんですよね。はい。一生涯勉強をし続けるっていう。 でも、勉強って思うと堅苦しいですけど、知りたいことを今だったらスマホで簡単に検索できますけど。でも、検索した情報って正しいかどうか判断するの難しいですよねっていうところで、そこは誰が書いたかとかというところだったり。
ここの大学の誰とか先生っていう人が書いているんだから、このことは本当なんじゃないかということまで 調べずに、これスマホで調べたらこう書いてあるからこれが本当なんだっていうので、フェイクニュースにだまされてしまうっていう部分があると思うので。そこの、「これって本当なのかな」っていう疑問を持ったときに図書館の本でちょっと調べてみるっていうようなことに使ってもらえたらいいのかなと。
デジタルの時代になってきていますが、図書館の役割に、それはどのような変化をもたらしましたか。
図書館の本にバーコードがついたっていうところからなんですけど。そこから本を探し、検索ができるようになったっていうところが強い のかなと。そこ、1番最初のスタート段階です。なので、もう私が図書館員になったころには、パソコンで検索して本を調べるということが当たり前になっていた感じだったので。
「何々について」ってちょっとふわっとしたことだと、司書の知識の中から「これ、こういう本かな」っていう紙上の目録を繰って、「この本かな」という本をご案内していたという感じだったんですけど。それはせずに、この本のこれとかこれを探したら、その人の目的のものがわかるんじゃないか。で、今この本は貸し出し中だっていうところまで、もう分かった状態でご案内ができるっていう感じで。そこはスムーズになったと思います。 あと、最近の動きでいくと2つありまして。 図書館の利用カードが、カードを持ってきてもらわないといけなかったんですけど、スマホ上に表示できるようになりましたので。
図書館のホームページでいったん登録をしてもらったら、カードを持っていなくても、キャッシュレス決済みたいな感じで画面出してもらったらカードとして使えるっていう機能が。これが2、3年くらいになるんですけど。それができるようになったし。在架予約っていって、今棚にある本に関しても予約をしていただいて取りに来るだけでもいいっていうような感じになったので。
最近だと子育て世代の方で、図書館に本を選びに来る暇はないけど、ネットで予約だけしておいて取りに来るだけだったらできるっていう方は、もう予約だけしておいて、ぱって来てぱっと帰るっていう感じの使われ方されていたりとかいうことがあります。
それから、もう一つが、電子図書館が開始しております。はい。電子書籍が無料で読めるっていう分で。今で、5000タイトルを超えている感じなんですけど。はい。玉東、和水、南関町と一緒にお知らせに入れてあります。玉名圏域電子図書館っていうのが使えるようになっていまして。動く絵本だったりとか。あと、文学作品とかだったら、読み上げしてくれるんですよね。
図書館司書の1日のお仕事のその流れっていうのは、どのようになっていますか。
見える仕事としては、図書館の人は大体カウンターにいて、貸し出しとか返却とかしていて尋ねられたら、レファレンスって言うんですけれど、調べ物のお手伝いして、あとは本を片付けてというところが目に見えているところだと思います。
それ以外に移動図書館に出かけていく日もあったり。あとは、先ほど本を選んでいるって言っていた選書という作業をやっていたり。あとは、いざ新刊が来たら、それに不具合がないかをチェックしてから出したりしているので、そういうのの受け入れ作業っていうのをやっていたり。
あと、入れていったらもう閉架書庫も入るスペースがなくなっているので。それの除籍って言っているんですけど、本を処分させてもらうのを検討したりとか。あとは破れている本を修理したり。寄贈で頂いた本に関してはカバーをかける装備をしたりとか。いろいろ。
今までの経験された中で、良いことだったりとか、何か気付きというのはありますか。
利用者の方がこういうことを知りたいって言われる視点によって、見え方が変わることがある、というのに気付いたりします。小さいこともあれば、大きなこともありますが。これがやっぱり意外な気付きにつながりますね。
色んな問題にぶつかったときに「どうしよう」って思って来られる方も多く、本当は法律家に相談した方がほうがいいんだろうけど、その前に予備知識が欲しいという感じで来られる方もいらっしゃいます。
「年賀状のことが書いてある本はないですか」って聞かれることがありました。年賀状の書き方の本もあるんですけど、年賀状のしまい方っていう本も最近出ています。
昔は、年賀状を何十枚も出すのが当たり前だったという感じでしたよね。でも今は、年に1回の年賀状のやり取りしかしていない人に対して、年賀状やめたい…と考えている方も多いと思います。失礼のない文章で年賀状をやめられる方法が書いてある本もありました 笑。「あ、こんな視点があったとは」っていう感じでした。
図書館をもっと利用してもらうための提案とか、アイデアとか、取り組みみたいなことは何かありますか。
図書館は長く使われている方と、初めて、もしくは年に数回しか来られない方という感じです。長く使われるというのは、毎週1回は確実に来る方や、毎日来る方もいますね。もしくは、2週間が貸し出し期限なので、2週間サイクルで必ず来るっていうような使い方をされる方のほうが多いです。 新たに来られる方を増やさないと、図書館がたくさんの人に利用してもらうっていうところはあんまりないという感じなので。
玉名には図書館が4つあると言うと、「え、そんなにあるんだ」っていう人も多くいらっしゃいます。それぞれの図書館がちょっとずつ特色を持たせていく方向性で、進んでいます。
玉名市民図書館は中央館という位置づけで1番大きいので、どんな方にも対応できるように幅広いく本を揃えてたり、学校に近い図書館だったら学生向けの本を多く揃えたりとか、幼稚園が近かったら、小さい子ども向けの本を多く揃えよう、という感じにしています。 公民館活動が活発なところであればそれに特化した図書館に。健康や医療、運動などに特化した図書館にとか。
というのを進めています。そこから本の魅力を アピールしていけるように、計画中です。
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