暑い夏こそ、本の世界でひんやり旅を。 ~夏に読みたい『本』7選~

暑い夏こそ、本の世界でひんやり旅を。 ~夏に読みたい『本』7選~

セミの声が耳をつんざいて、アスファルトから陽炎がゆらゆらと立ち上る、熊本の夏。

菊池川の土手を歩くだけで、もう汗びっしょり。高瀬裏川のせせらぎが聞こえても、なんだか今年の暑さはひと味違う……そんな日は、冷房の効いた部屋に逃げ込んで、冷たい麦茶をひとくち飲んで、ゆっくりページをめくるのがいちばんのご褒美じゃないでしょうか。

今回LupiLupi編集部がご紹介するのは、「夏に読みたい本」7冊です。ひんやりと背筋が冷えるもの、じんわり泣けるもの、スッキリ爽快なもの……。暑い夜に、どうぞゆっくり読んでみませんか?


📚 1冊目:『夏の庭』 湯本香樹実

【夏・子ども・友情】

夏の庭
新潮文庫

「人が死ぬって、どんなかんじなんだろう?」という素直な疑問から、小学生の男の子3人が近所のおじいさんをそっと観察しはじめます。最初はちょっとコワい目的だったのに、いつのまにか本物の交流が生まれていく——そのやさしい変化が、この物語のいちばんの魅力です。

麦わら帽子のにおい、汗ばんだ手のひら、夕方の西日のまぶしさ。ページをめくるたびに、子どもの頃の夏休みがにおい立つような一冊です。子育て中の方にも、すっかり子どもが大きくなった方にも、どちらにもきっと響きます。

 


📚 2冊目:『かがみの孤城』 辻村深月

【子ども・友情・秘密】

かがみの孤城
ポプラ社

学校に行けなくなった中学生の女の子・こころが、ある日、部屋の鏡の中へ吸い込まれます。そこにあったのは、お城。そして、同じように傷を抱えた7人の子どもたちとの出会い——。

読み進めるうちにちょっとずつ解けていく謎が、最後の最後でひとつにつながる瞬間は、思わず息をのんでしまいます。「あの頃の自分に会いに行く」ような感覚を味わえる、ちょっと特別な物語です。少し長めですが、夏のまとまった時間にぜひ。


📚 3冊目:『氷菓』 米澤穂信

【ミステリー・スッキリ・青春】

氷菓
角川文庫

タイトルの「氷菓」から、もうすでにひんやりしてきませんか?

「やらなくていいことは、やらない」という省エネ主義の高校生・折木奉太郎が、好奇心いっぱいの千反田えると一緒に、日常のなかに潜む小さな謎を解いていくお話です。大きな事件は出てきませんが、だからこそスッキリと読めて、夏の午後にぴったり。「ミステリーって難しそう……」という方にも、入口として最高の一冊です。


📚 4冊目:『夏と花火と私の死体』 乙一

【短編・ひんやり・ミステリー】

夏と花火と私の死体
集英社文庫

 

タイトルだけで、ドキッとしてしまいましたか?それがまさに、この本の力です。

夏の子ども、花火、死体——という非日常の組み合わせが、静かで独特な文体で語られます。怖いのに、なぜか美しい。読んでいる最中、じわっと背中がひんやりしてくるあの感覚は、夏の読書にしかない特別な体験です。短編集なのでサクッと読めて、読み終えたあと、思わず誰かに話したくなること間違いなしです。


📚 5冊目:『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾

【友情・温かい・感動】

ナミヤ雑貨店の奇蹟
角川文庫

廃墟になったある雑貨店を舞台に、過去と現在をつなぐ手紙のやりとりが始まります。読んでいるうちに、じんわり、じんわりと胸があたたかくなっていく——そんな不思議な読み心地の物語です。

東野圭吾さんの作品のなかでも特に読みやすく、ミステリーが苦手な方にもおすすめです。夏のゆったりした夜、玉名温泉の湯上がりに、ほっこりしながら読みたい一冊です。最後のページを閉じるとき、きっと優しい気持ちになれますよ。


📚 6冊目:『コンビニ人間』 村田沙耶香

【スッキリ・短め・ちょっと不思議】

コンビニ人間
文春文庫

コンビニで18年間働き続ける女性・恵子の、ちょっと風変わりな生き方を描いたお話。難しいことは何も書いていないのに、読み終えると「普通って、なんだろう?」とふと考えさせてくれます。

文庫本で180ページほどのコンパクトさで、2〜3時間でスッキリ読めてしまいます。「最近、読書から離れてしまっていたな」という方にも、最初の一冊として自信を持っておすすめできます。


📚 7冊目:『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治

【夏・子ども・友情・幻想】

銀河鉄道の夜
新潮文庫

最後はやっぱり、この一冊を。

夏のお祭りの夜、少年ジョバンニが親友のカンパネルラと銀河鉄道に乗り込む——夢のような物語です。子どもの頃に一度読んだ方も、大人になってから読み直すと、まったく違う景色が見えてきます。宮沢賢治さんの言葉のリズムは、まるで詩のよう。熊本の夏の夜、窓から星空を眺めながら読めば、それだけで最高の夜になるはずです。


編集部より

今回の7冊は、LupiLupiのスタッフみんなで本棚を見渡しながら、「これは夏に読みたい!」と声に出しながら選びました。

「怖いのに止まらなかった」「子どもの頃の夏休みを思い出した」「電車のなかで泣きそうになって困った」——そんなスタッフの生の声が、どの本にも詰まっています。本屋さんで迷ったとき、図書館でどれを借りようか悩んだとき、ぜひこのリストを思い出してみてくださいね。

一冊の本があなたの夏に、小さなひんやりと温かさをお届けできたら、こんなにうれしいことはありません。

暑い夏、どうぞご自身を大切に過ごしてください。読み終えた本を誰かに贈ったり、「あれ、面白かったよ」とひとこと話したり——そんな小さなやりとりが、夏のいちばんの思い出になるような気がします。

LupiLupiはいつも、玉名のみなさんの日常にそっと寄り添っていたいと思っています。またいつかのページで、お会いしましょう。

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