やさしさを焼く、シフォンケーキ

やさしさを焼く、シフォンケーキ

2025-07-01

~「ローズマリーおばあさんのシフォンケーキ屋さん」を訪ねて ~

「インターネットで検索しても出てこない、隠れたシフォンケーキ屋さんがあるんです。ぜひ調査してもらえませんか?」

読者の方から届いたのは、まるで宝探しのような、心ときめくお便りでした。

 

 

最初は、情報誌の「調査隊」として、軽い気持ちで取材に向かった私たちですが、実際に「ローズマリーおばあさんのシフォンケーキ屋さん」を営む河上章子さんにお会いし、そのお人柄に触れたとき、私たちの心は温かい光に包まれました。

そこには、インターネットでは決して見つけられない、深い愛情と物語が詰まっていたのです 。

 

母への深い愛情から生まれた、ふわふわのシフォンケーキ

河上さんがシフォンケーキを作り始めたのは、今から20数年前のこと 。

福岡で働いていた頃、職場の友人に連れて行ってもらった喫茶店で、運命の出会いがありました 。

そこで口にした抹茶シフォンケーキの、ふわふわでとろけるような食感は、忘れられない感動として河上さんの心に残ったそうです 。

その忘れられない味を、90歳を超えたお母様のために再現したい。

そんな温かい想いが、河上さんをシフォンケーキ作りへと導きました 。

手作りのお菓子で愛情を注いでくれたお母様に、今度は自分が、優しくふわふわのシフォンケーキを食べさせてあげたい 。

初めて作ったシフォンケーキを、お母様が黙々と、そしてあっという間に召し上がった時の喜びは、河上さんにとってかけがえのない思い出なのだそうです 。

そのお話をする河上さんの表情からは、お母様への深い愛情がひしひしと伝わってきました 。

シフォンケーキの写真

レシピは試行錯誤の連続、そして安心安全へのこだわり

お菓子教室に通うことなく、テレビやインターネットの情報を参考にしながら、何度も試作を重ねたという河上さん 。失敗を繰り返しながらも、「あの喫茶店の忘れられない食感に近づけたい」という一心で、ご自身の舌の感覚を頼りに試行錯誤を続けました 。

そして、現在のオリジナルレシピがほぼ完成したのは、4年ほど前のことだといいます 。

「どうしてシフォンケーキだけなのですか?」と尋ねると、河上さんは「他のお菓子が作れないから」と、茶目っ気たっぷりに答えてくださいました 。

しかし、そこにはもう一つの温かい理由がありました。

それは、「玉名にはまだシフォンケーキの専門店がなかったこと、そして自分が本当に食べたいと思うシフォンケーキがないなら、自分で作ってしまおう」という、前向きな想いでした 。

河上さんのシフォンケーキのこだわりは、何よりも「安心安全な国産の素材」にあります 。

ご自身とお子様がアレルギー体質だったことから、材料選びには特に気を配り、生活協同組合で厳選された素材を使用しているそうです 。

優しい甘さのきび砂糖、ヘルシーな太白胡麻油を使い、何よりも「卵だけの力でふわふわに仕上げている」という言葉には、素材への深い愛情と自信が込められています 。

そして、シフォンケーキ作りの要となるのが、メレンゲの立て方だといいます 。

「究極のふわふわ」を目指すため、メレンゲの立ち上がりには毎回ドキドキし、型から外す瞬間の緊張感は、最高の集中力を生み出すそうです 。

70代とは思えないその情熱と集中力には、私たちもただただ感銘を受けました 。

バースデー仕様のシフォンケーキ
バースデー仕様のシフォンケーキ

心温まる人とのつながり、そして一生現役への想い

「ローズマリーおばあさんのシフォンケーキ屋さん」は、口コミを中心に、温かいご縁で広がっています 。

特に印象的だったのは、幼馴染の同級生のお嬢さんがスイスに住んでおり、なんとスイスまでシフォンケーキを届けてもらったことがあるというエピソードです 。

遠く離れたスイスの地で、河上さんのシフォンケーキを召し上がったご家族が喜んでくださったことは、河上さんにとって大きな感動だったそうです 。

また、別の同級生の方は、手作りの素敵な看板をプレゼントしてくださったといいます 。

地域の方々との温かい心のつながりが、河上さんのシフォンケーキ作りを支えていることが、ひしひしと伝わってきます 。

ご主人からは「おいしい」の連発 。

お孫さんからは「このシフォンケーキ、お店で買ったみたい!」という、最高の褒め言葉をもらっているそうです 。家族の温かい笑顔が、河上さんの何よりの原動力となっているのでしょう。

「私が死ぬまで現役でいたい。社会とのつながりをなくしたくないし、夢を持ち続けたいから」。

河上さんのこの言葉には、人生を謳歌する力強さと、深い人間性が表れていました。

80歳、いや、それ以上もシフォンケーキを作り続けたいという河上さん 。

若い世代へのメッセージを尋ねると、「思いやりの心です」と、優しい笑顔で答えてくれました 。相手が何を求めているのかを理解しようと努める心と行動が、足元からの幸せに繋がる 、という河上さんの言葉は、私たちにも深く響きました。

そして、河上さんが一番嬉しい瞬間は、「シフォンケーキを食べて『おいしい』と言ってくれた瞬間」だといいます 。その言葉に、シフォンケーキにかける河上さんの純粋な想いが凝縮されているように感じました。

 

しふぉんけーき屋さんの玄関

地域の宝物、心温まるシフォンケーキをぜひ

今回の取材は、私たちにとって忘れられない、心温まる体験となりました 。

インターネットには載っていないけれど、確かにそこに存在する温かいお店と、深い愛情が込められた物語 。

河上章子さんの「ローズマリーおばあさんのシフォンケーキ屋さん」は、まさに地域の宝物のような存在だと、私たちは感じています 。

ご注文は事前予約制となっています 。

河上さんの温かいお人柄と、心を込めて作られた、ふわふわで優しいシフォンケーキを、ぜひ多くの方に味わっていただきたいと心から願っています 。

抹茶のシフォンケーキ
抹茶のシフォンケーキ

 

お問い合わせ:ローズマリーおばあさんのシフォンケーキ屋さん(河上章子さん)

玉名市立願寺  090-7450-3858

※熊本県内宅配可能(佐川急便との提携)

 

 

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